補聴器のハウリング(ピーピー音)について

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補聴器から「ピーピー」という音が鳴る現象を経験したことはありませんか?
このピーピー音は、一般的にハウリングと呼ばれており、ハウリングは補聴器を使用している本人だけでなく、周囲の方にも聞こえることがあります。ハウリングが原因でご家族と喧嘩をしたというお話を伺うことも・・・。

今回は、ハウリングが起きる原因と対処方法についてご紹介いたします。

ハウリングが起きる原因

補聴器は、主にマイク・DSP(アンプ)*1・イヤホン(スピーカー)で構成されています。
マイクに入力された音はアンプ(増幅器)で増幅後、スピーカーから出力されますが、この音が再びマイクに入り、アンプで増幅されスピーカーから出力される・・・という処理が、繰り返されてしまうとハウリングが起こります。

*1 「Digital Signal Processor」の頭文字を取ったもので、AD変換器でデジタルに変換された音のデータ(デジタル信号)をもとに計算して音処理を行う装置。コンピューターでいえばCPUに当たる部分。

補聴器を着けているときに起きるハウリングは、耳せんと耳のあなの隙間からの音漏れが原因であることが多く、
補聴器の着け外し時に電源が入っている、耳あかが詰まっているなどが原因である場合もあります。

続いては、それぞれの対処方法についてご紹介いたします。

ハウリングの対処方法

耳のあなに合った耳せんに交換する

自分に合っていない耳せんを使用していると、会話や食事の際に耳と補聴器に隙間ができて音が漏れ、ハウリングが起きてしまいます。
音漏れを防ぐためには、補聴器販売店で自分の耳のあなに合った耳せんを選ぶことが大切です。補聴器販売店には大小様々な耳せんがあるため、自分の耳のあなに合った耳せんを見つけることができます。
また、自分の耳の型を採取して作るオーダーメイドの耳せん(イヤモールド)を使うこともおすすめです。耳のあなにぴったりと収まり、音漏れを防ぐため、よりハウリングが起きにくくなります。


電源を切って着け外しを行う

補聴器を着け外しする際、ハウリングが起きることは異常ではありません。しかし、補聴器の調整によっては大きな音が補聴器から出力されるため、周囲の方が驚いてしまうこともあります。そのため、電池ホルダーをわずかに開けて電源を切ってから、補聴器を着け外しすることをおすすめします。この際、電池ホルダーを大きく開くと電池が落ちてしまう可能性があるのでご注意ください。
また、耳あな型補聴器でも小型なものの場合、電池ホルダーを完全に閉じた状態で補聴器の着け外しを行うため、上記でおすすめした方法はできないのでご注意ください。


耳あかを除去する

実は耳あかが詰まっている場合にも、ハウリングが起きることがあります。補聴器から出力された音が、鼓膜に届く前に耳あかによって跳ね返り、再び補聴器のマイクに入ることでハウリングが起きてしまいます。その際には、耳鼻科を受診して耳あかを除去してもらいましょう。

いかがでしたか?
今回は、補聴器からピーピー音が鳴る現象「ハウリング」が起きる原因と、対処方法についてご紹介しました。
上記でご紹介した対処方法以外にも、電池ホルダーを閉めてから補聴器が起動するまでの時間を設定できる機能を利用して、補聴器を着ける際のハウリングを防止する方法や、補聴器に搭載されているハウリング抑制機能を利用するといった方法もあります。しかし、補聴器のタイプによっては機能が搭載されていない点や、ハウリング抑制機能を利用するためには補聴器販売店での調整が必要な点、ハウリング抑制機能の程度によって音の聴こえ方が変化する点がありますのでご注意ください。

日常生活においてハウリングで困っている、家族から指摘されたといったことがありましたら、遠慮せずに補聴器販売店にご相談ください。一人ひとりの状況に合わせて、適切にご対応いたします。


この記事を書いた人

myRIONET 編集部

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