空気亜鉛電池の取り扱い方法と廃棄方法は?
一般的に私たちが目にする多くの補聴器には、ボタン型の空気亜鉛電池が使われています。
空気亜鉛電池は軽量で安全に使用でき、通常のボタン電池よりも長時間使用できるため補聴器に広く用いられてきましたが、
水銀を含むため、不要な空気亜鉛電池はボタン電池回収缶に入れることで一般社団法人電池工業会(BAJ)が処理していました。
関連リンク:
一般社団法人電池工業会 - ボタン電池回収サイト (botankaishu.jp)
近年では無水銀電池が普及し、乾電池ゴミとして処理できるようになりましたが、まだ市場から排出される古い電池には水銀入りのものもあると考えられるため、
補聴器販売店の多くでは引き続きボタン電池回収缶を設置して対応しています。
ここでは、空気亜鉛電池の取り扱いや廃棄方法について詳しく解説します。
空気亜鉛電池に使用期限はある?
一般的な乾電池は使用期限が存在しますが、同様に、空気亜鉛電池にも使用期限が存在します。
使用期限とは食べ物で言うところの賞味期限と一緒で、空気亜鉛電池の使用期限はパッケージの裏面に「使用推奨期限」という言葉で記載されています。
小さい表示になりますので、見落としがないようによく見て、期限が過ぎていないかをチェックしてから使用するようにしましょう。
空気亜鉛電池の保管方法とは?
空気亜鉛電池は、空気穴にホコリや汚れが詰まったり、汗や水が入ったりすると使用できなくなります。
そのため、補聴器に貼ってあるシールは、補聴器を使う直前まではがすことがないようにしてください。
また、はがしたシールは再度貼り直すことがないようにしましょう。
空気亜鉛電池の空気穴にシールの粘着剤が詰まり、使用できなくなる可能性があるため、
すぐに使用しない場合は、パッケージから出さずに保管するのが最適です。
他の電池や金属と接触するとショートする危険もあるため、購入時のパッケージのまま保管してください。
また、空気亜鉛電池は非常に小さいため、子どもやペットが誤って飲み込む可能性があることから、
高い棚や鍵付きの引き出しなど、子どもやペットが簡単に触れることのできない場所に保管しましょう。
さらに、高温多湿や直射日光が当たる場所に置くと性能が劣化する場合があるため、車のダッシュボードや冷蔵庫の中などは避けましょう。
使用済の空気亜鉛電池の捨て方とは?
補聴器用電池によく使われるボタン型の空気亜鉛電池は、外気と触れ合う空気穴をふさぐ必要があるため、セロハンテープやビニールシートで1周しっかり巻きましょう。
電極部分が他のものと触れ合わないように巻くのがポイントになります。
外気だけではなく、電池が他の電池や金属などに反応すると、電池がショートする恐れがあるためです。
セロハンテープやビニールシートを貼った空気亜鉛電池を廃棄する際は、水銀を含む場合は補聴器用ボタン電池の回収缶へ、
水銀を含まない場合は自治体が指定する電池回収方法に従って廃棄しましょう。
ボタン電池回収缶には制限あり!
ボタン電池回収缶に入れられる電池には制限があります。
回収の対象となる電池の種類と、回収の対象とならない電池の種類に分けてみましたので、以下を参考にしてみてください。
1.回収の対象となる電池の種類
- 酸化銀電池(型式記号SR)
- 水銀を含む空気亜鉛電池(型式記号PR)
- アルカリボタン電池(型式記号LR)
酸化銀電池は腕時計などに使用され、アルカリボタン電池は電子体温計などに使用されている電池です。
前述した通り、補聴器には空気亜鉛電池が主に使用されています。
最近は、これらの同じ型式の電池でも無水銀のものがありますので、電池を購入する際に店員に確認したり、パッケージ表記の確認をお勧めします。
2.回収の対象とならない電池の種類
- リチウムコイン電池(型式記号CRとBR)
リチウムコイン電池は水銀を含んでいないので、廃棄方法が異なります。
自治体のルールに従い、乾電池ゴミとして出すか、店舗で回収した場合は産業廃棄物として処理される場合もあります。
これらの電池以外でも、まずボタン電池回収缶に入らないような大きさの電池は対象外となるので、注意が必要です。
回収電池のブランドも関係あり!
ボタン電池回収缶に入れられる酸化銀電池、空気亜鉛電池、アルカリボタン電池は何でもいいわけではなく、ブランド名が関わってきます。
その中でも今回は、補聴器用電池のブランド名を一つひとつ挙げてみましたので、合致しているか確認してみてください。
- powerone
- NJH
- リオネット
- WIDEX
- CORTITON
- RIKEN
- oticon
- PHONAK
- bernafon
- DURACELL
- SIEMENS
- signia
- STARKEY
- NEXcell
- ultima
- Rayovac
- ReSound
回収された電池はどうなる?
ボタン電池回収缶に入れられた電池は、中間処理業者の施設に送られます。
そこで水銀や鉄、亜鉛化合物などの金属が取り出され、すべてリサイクルされるのが一般的です。
これらは普通ゴミのように、廃棄処分や埋め立てにはならず、資源として再利用されます。
まとめ
ここまで、補聴器によく使われる空気亜鉛電池の取り扱い方法から廃棄方法まで詳しく解説してきました。
正しい保管方法を心がけることで、補聴器を安心して長く使い続けられます。
また、電池が不要になった際には、廃棄方法を確認し、適切な処理方法を選択しましょう。
そうすることで、金属を再度抽出し、資源としてリサイクルできます。
お近くのリオネット補聴器販売店を検索したい方はこちらから
このコラムは、公開日現在の内容となります。ご覧いただいた時点の最新情報とは異なることがありますので、あらかじめご了承ください。