補聴器から音が出ない原因は?確認項目と8つの対策ガイド

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補聴器を使用していて、急に音が出なくなった場合、必ずしも故障が原因とは限りません。
補聴器から音が出ない場合は、落ち着いて補聴器の状態を確認してみましょう。
原因によってはその場で対処が可能です。
今回は、補聴器から音が出なくなった時の確認項目や対処方法をご紹介します。



補聴器から音が出なくなった時の確認項目

補聴器から音が出ない原因の多くは、補聴器の電池や、汚れの付着によるものです。
これらはご自身で確認していただくことが可能なので、落ち着いて対処することが大切です。
補聴器から音が出なくなった時の確認項目を順番にわかりやすく説明します。

確認項目・流れ

1.電池を確認

最初に電池の状態を確認します。

  • 電池が電池ホルダに正しく挿入され収まっているか確認します。
    電池ホルダに異物や汚れが付着し、電池が浮いて正しい位置にセットされないことがあります。
    そういった場合もあるので、注意深く確認してください。

    関連リンク:
    補聴器用の電池の交換方法 ~耳あな型補聴器 CICタイプ~
    補聴器用の電池の交換方法 ~耳かけ型補聴器~

  • 電池のシールが貼ったままで挿入されていないか確認します。
    電池は+面にシールが貼られた状態で販売されています。
    シールをはがして1分以上経過してから補聴器に入れてください。

    関連リンク:
    電池の寿命はどのくらい?

  • 電池が消耗していないか確認します。
    電池チェッカー(別売)を使って電池残量をチェックするか、新しい電池に交換してみましょう。
    ただし、シールをはがしたまま長期間放置した電池は、容量がなくなっていることがあるため、注意が必要です。
    電池チェッカー

2.電源を確認

電池が正常でも音が出ない場合は、電源に関する問題がないか確認します。

  • 電池ホルダがしっかりしまっているか、電源スイッチがONになっているか確認します。
    機種によっては、ミュート機能や電源を入れてからしばらくしないと音が出ない設定がありますので、ご自身の補聴器の設定については、補聴器販売店に相談しましょう。

  • 電池切片に汚れや腐食がないかを確認します。
    汗や皮脂が補聴器の内部に侵入し、トラブルを引き起こすことがあります。
    この場合は、補聴器内部の部品ですので、購入した補聴器販売店に持ち込んで調べてもらいましょう。

  • 充電式補聴器の場合は、充電が切れていないか確認します。
    専用のスマートフォンアプリで電池の残量をチェックすることも可能です。
    充電を忘れたり、長時間使用すると、電池残量が不足して音が出なくなることがあります。
    その際は、専用の充電ケースに補聴器をセットして充電してください。
    リオネット2シリーズ充電ケース(HI-C7用)の場合、2時間30分の充電で1日中使用可能です。

3.補聴器の音の出口を確認

音の出口に汚れが詰まっていないか確認します。

  • 耳かけ型補聴器やポケット型補聴器などの場合は、音の出口(耳せんやイヤモールド)に汚れが詰まっていたらブラシを使って清掃します。
    この時、音口が水平になるように補聴器を持ち付属のブラシできれいにしてください。
    ※耳あかが音口に詰まる恐れがありますので、音口を上に向けた状態で、ブラシで清掃しないでください。

  • 耳かけ型ブラシ

  • オーダーメイド補聴器の場合は、音の出口(耳あか防止チップ)に汚れが詰まっていたらブラシを使って清掃します。
    この時、音口が水平になるように補聴器を持ち付属のブラシできれいにしてください。
    ※耳あかが音口に詰まる恐れがありますので、音口を上に向けた状態で、ブラシで清掃しないでください。

    オーダーメイドブラシ

    ブラシで汚れが除去できない場合は、耳あか防止チップを交換します。
    交換作業に不安がある場合は無理をせず、補聴器販売店に相談しましょう。

4.補聴器の音の入口を確認

音の入口に汚れが詰まっていないか確認します。

  • 音の入口(マイク)に汚れが詰まっていたら、補聴器販売店に点検・清掃を依頼しましょう。

5.メモリー(プログラム)設定を確認

補聴器販売店で設定を行った補聴器の、メモリー(プログラム)設定を確認します。

  • 補聴器のメモリーボタンを何度か押し、設定を切り替えて音が出る状態になるかを確認します。
    たとえば、お客様のライフスタイルに合わせて、電源を入れてすぐに音が出ないように、メモリーを設定している場合があります。
    ※ボリュームが小さい場合もあります。ボリューム操作が可能な場合は最小になっていないかも確認してください。

6.水分の付着を確認

補聴器が水や汗で濡れたり、湿気にさらされていないか確認します。

  • 濡れた手で補聴器を触ってしまったり、補聴器をつけたままシャワーや入浴をしてしまったり、雨に濡れてしまったりすると、補聴器本体の音の入口や出口が水滴によって塞がれてしまいます。
    また、隙間から水分や湿気が内部に入り込むこともありますのでよく拭き取るようにしてください。
    拭き取った後も水分や湿気が残っていることが多いため、乾燥ケースに入れておくことで残った水分や湿気の対策を行いましょう。

    関連リンク:
    おすすめ保管アイテム『補聴器用乾燥ケース』をご紹介!

  • 汗をかくと、水分が補聴器本体の音の入口や出口を塞いでしまうことがあります。
    また、隙間から汗の湿気や水分が内部に入り込むこともありますのでよく拭き取るようにしてください。
    とくに汗をかくことの多い方は、補聴器カバー※1や乾燥ケースを使用するなどの対策を補聴器販売店に相談しましょう。
    ※1 補聴器の機種によっては、対応できない場合があります。

  • 補聴器に結露が発生すると、音が出なくなったり、途切れたりすることがあります。
    急激な温度変化のある環境では、補聴器内部で結露が生じやすくなります。
    たとえば、冬場など外気が冷えると、耳や補聴器との温度差によって結露が起こることがあるのです。
    補聴器の機種によっては結露の対策になる部品があるため、補聴器販売店に相談しましょう。

7.物理的な損傷確認

物理的な損傷により音が出なくなる原因として、以下のような時が考えられます。
このような時は補聴器に損傷がなさそうに見えたとしても、内部部品が損傷している可能性があります。
早めに補聴器販売店に相談しましょう。

  • 帽子やマスクの着脱時に耳から外れ落下させる

  • ポケットや机、棚から落下させる

  • 座席やソファに置いたまま上に座ってしまう

  • カバンに入れたまま重い物が上に置かれてしまう

  • 動物が噛んでしまう

  • 子どもが遊んで投げてしまう

  • 衣服から取り出し忘れて洗濯機に入れてしまう

  • トイレで水没させてしまう

破損を防ぐためには、落下に気をつけて着脱し、補聴器を取り外したらケースに保管するようにしましょう。また、ペットや子どもの手の届かない場所に保管することも大切です。

8.医療機関の受診

補聴器から音が出ないことで補聴器販売店を訪れた結果、医療機関を受診するよう伝えられることも考えられます。 これは、一般社団法人 日本補聴器販売店協会と特定非営利活動法人 日本補聴器技能者協会が定めた「禁忌8項目」のいずれかに該当する場合、必ず耳鼻咽喉科(補聴器相談医)を受診するようお願いしているためです。

関連リンク:
一般社団法人 日本補聴器販売店協会
特定非営利活動法人 日本補聴器技能者協会

まとめ

補聴器から音が出なくなったら、落ち着いて補聴器の状態を確認してみましょう。そうすることで適切な対処方法がわかる場合があります。
焦って自分で補聴器を分解・修理しないでください。 もし、具体的な対応方法がわからなくてもそのままにせず補聴器販売店に相談することが重要です。
定期的なメンテナンスと適切な使用方法を心がけて、補聴器を利用しましょう。


この記事を書いた人

myRIONET 編集部

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